この前テレビでオーケストラが交響曲を演奏するのを見ました。 N響のベートーベンです。 今回の演奏は当時の音に忠実に再現したいということで、ティンパニーも当時のものと通常使われているものどちらを使うかを演奏者の方が悩んでいました。音量は小さいが音色がはっきりしている当時のもの。音量が大きく響きを重視した現代のもの。どちらも甲乙つけがたい音です。 その上でマエストロに相談したところ、あっさり当時の物に決まりました。事前にその音を知っていて、イメージが出来ていての決定だったと思います。 心配されていた音量も問題なく素晴らしい演奏でした。曲は『英雄』軍隊を表現したこの曲で打楽器が曲中に生み出すリズムは絶対に必要なものです。どの場面でどの楽器をどう奏でさせるかによって、ティンパニーの音が生きてくるかが決まったかと思います。 全体像を把握してひとつ、ひとつを組み上げていく作業は非常に建設的です。その場の勢いやノリではなく、冷静に組み上げられたにも関わらず感動を生む姿には非常に学ぶ事が多いように思えました。